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特別展 驚愕の超写実展

更新日:2019年12月28日

何年振りでしょうか?今日は瀬戸内市立美術館に行ってきました。特別展 驚愕の超写実展 ホキ美術館とMEAM(ヨーロッパ近代美術館)の所蔵作品展が開催されていました。




私のお目当ては故森本草介先生の作品です。立ちポーズ(2004)、菓物たちの宴(2001)、VĒZELAY(2010)、アリエー川の流れ(2013)、未来(2011)の5点です。





超写実展とあって、写真と見間違う作品もありましたが、森本先生の作品は「未来」をはじめすべての作品に込められている平和への祈りが、作品の気品を高めている様に感じられました。森本先生が作品「未来」(2011)を制作中に東日本大震災があり、イーゼルから落ちべったりと絵の具が付いてしまったのを何とか描き直して完成されたそうです。その同じ時期に私は東京で開催していたガラス展の会期中でしたが、千葉市にあるホキ美術館開館記念展の最終日に行く事ができ、森本先生の絵画をゆっくり鑑賞させていただきました。


絵画には写実画と抽象画があります。私は抽象画が嫌いではないのですが、多くは写実画の方に惹かれます。それは単に写真の様な正確で精緻な描写だからではなく、絵の中に画家の精神性がもろに表れていると感じるからです。モデル、静物、風景の選び方や構図などで画家の嗜好がある程度わかります。これはあくまでも私の意見ですが、写実画は工芸、抽象画はアートっぽい匂いがします。


私がK会工芸部に所属していた頃、私の作品のポストカードを同封して森本先生にお手紙を書いたところ、ハガキにてご返信をいただき、末尾には私の作品が素晴らしいと宛名面の下部分を割いてまでお褒めのお言葉も添えていただきました。昨年、銀座で絞り染めの西尾さんと二人展を開催した時に、森本先生の奥様が娘さんとご一緒に会場にいらっしゃいました。奥様が仰るには、森本先生に送った私の作品のポストカードを、森本先生は生前書斎の机に飾られていたそうです。その話を伺った時とても感激したと同時に、森本先生の絵画と私のガラス作品との間に相通じるものがあるのだと感じました。森本先生はすでにお亡くなりになられていますが、残された作品を観に行く度に森本先生にお会いしている感覚があります。


今回の展覧会は約2か月間ものロングランです。この企画をされたのは瀬戸内市立美術館館長の岸本員臣さんです。また今日は画家の野田弘志さんの講演があったそうです。瀬戸内市立美術館は岡山の美術館の中でも独特で際立った企画をされます。美術館へは久し振りに行きましたが、新しい学芸員さんが増えていて驚きました。今後益々注目される美術館になっていくのではと思います。できれば会期中にもう一度瀬戸内美術館に足を運びたいと思っています。

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