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 ガラスは大学生の時から好きで、おまけのグラス欲しさに飲めもしないウイスキーを買ったくらいです。在学中にサッカー部でメキシコ遠征に行った時にも、自分のお土産にと素朴なコップを買って帰りました。

 

 大学の卒業旅行で2月に北海道を一人で旅をしました。いろんな所を訪ねましたが、最後に立ち寄ったのが小樽です。小樽には明治中期の木骨石張り造りの倉庫を改装した北一硝子三号館があり、館内の壁面に北欧のものだったか?美しい硝子がたくさん展示してあったのです。

              

 壁面に所々配置された石油ランプと、天井から吊るされた石油ランプのシャンデリアが2~3灯あって、そのシャンデリアの下にはドーナツ型の大きなテーブルがあり、そしてそのテーブルの中には鋳物製のガスストーブが設置してありました。

      

 一人物思いにふけるには最適の空間で、小樽連泊中には毎日ここに通っていました。シチュエーションもありますが、将来の進路を真剣に再検討する為に北海道へ一人旅に出た私にとっては、北一硝子三号館はなくてはならない場所になっていったのです。                     

 

 そしてそういう日々を過ごしていたある日、ここに飾ってある美しいガラスの様な物を自分は作るべきだという思いが沸いてきました。それは私の心の中に小さな灯火がともった瞬間でした。その時の熱い想いが今に繋がっているのです。

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