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坩堝のセッティングと再利用

更新日:2023年9月18日

前回、使った坩堝と炉内のチェックをしました。


こちらは左側にセットしてある10斤(広口)の坩堝。元々肉厚は厚くありませんので、熱ショックには強いのかもしれません。またどこにも亀裂は入っていませんでしたので、再々利用を試みるかもしれません。


こちらは35斤坩堝 耐火断熱ボードとの隙間が開いていました。このわずかな隙間が電力消費に大きな差を生みます。このボードの上にももう一枚ボードを被せるので、制作中はそのことに気づきませんでした。炉は断熱が大切です。油やガス炉のバーナー火力に比べて、出力の瞬発力の小さい電気炉は特に密閉性が命です。8月の猛暑続きの中、炉外に熱が漏れ、工房内は異常に暑くて作業はやりづらいし、電気代は嵩むということを後で知りことになりました。


35斤坩堝の内部からはひび割れはどこにも見つかりませんでしたが、


念の為坩堝を取り出して外回りをチェックしてみると、背中に亀裂が見つかりました。この亀裂は1回目の火入れの時のものなのか、それとも再利用した時のものなのか?もし坩堝を取り出してチェックせずに、再々利用して火入れをした時に内部まで亀裂が入って、溶たガラスが炉内に流出するという悲劇を生んだ可能性があります。



炉床に珪砂を敷き詰めているので、もし溶けたガラスが流出しても炉床のキャスタブルの損傷は軽減できるようにはしていますが、坩堝にガラスが満タンに入っていた時はかなり炉が痛むのは覚悟しなくてはなりません。


この電気炉の設計に私は関わっていませんでしたので、坩堝のセッティング角度はメーカー任せでした。かなり角度が立っているので、たくさんガラスの量は熔かせますが、ガラスの量が半分以下になった時に吹き竿で巻きづらくなります。そこで今度からは坩堝のお尻の下に耐火煉瓦を1枚敷いて坩堝の角度を寝かせることにしています。断熱ボード(鏡)の角度と坩堝の口の角度が合わなくなるのをどう辻褄を合わせるのか、再び坩堝の口周りと断熱ボードとの隙間が生じないように、坩堝をセッティングする時に工夫が要ります。


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